車両ロック装置発明の経緯 その16
実は特許の確定を待つまでも、マッチング先を探す作業は異業種交流会を中心に進んでいました。
実際、やりたいと本気で考えてくれた社長もいたりして、装置の原寸試作も始まっていました。
製造の中小企業というと、どうしても大手メーカーの下請けが多くなりますが、海外生産とかも広がりコストの要求も厳しくなる一方で、いつまでもそれだけで安泰という時代ではなくなっています。それゆえ、どこの社長もオリジナルの製品を作れたらという願望を、多かれ少なかれ持っています。
「車両ロック装置」は技術的にはガレージジャッキの機構とほとんど同じですので、いわゆる枯れた技術で最先端の生産設備は必要ありません。いまさらガレージジャッキを生産してもホームセンターで3000円程度で売られている程度にまで市場も枯れてしまっているためガレージジャッキに進出を考える企業はないでしょう。
しかし、同じ生産技術でも「車両ロック装置」にはこれから大きな市場が期待できます。
また、基本的に既製鋼材の組み合わせで生産可能なため金型が不要で初期投資を低く抑える事が可能です。しかも、車種別でなく汎用1モデルなので生産性が高く、特許で競合が制限されるため受注生産体制でも他に需要を奪われる必要がないというメリットもあります。
まさに中小鉄工所にとってはオリジナル商品として最適な要素を備えていると言えます。
で、やりましょうという社長さんはいるのですが、やり始めて自社の人材がオリジナル商品を開発する体制にない事に気が付きます。長年、親会社の指示通りに加工して期日にキッチリ納品は出来るのですが・・・・
で、自分に連絡が来て、何度も足を運ぶ事に。
こんなペースですから開発ペースはまったりしたもので、そのうち本業が忙しくなるともうお手上げとなり、うやむやになってしまうのでした。
それでも、いろいろマッチングを探していると、特許流通フェアへの出展を勧められました。
つづく
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